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2020.04.28
マーケティングオートメーションで行うシナリオを戦略的に考える

マーケティングオートメーション(以下、MA)の導入が当たり前になり、ソリューションとして認識されてきた現在ですが、まだまだMAを導入する事が目的となり、利活用出来ていないと感じる経営者の方が多いのではないでしょうか。

 

今回は、弊社が実務で実践しているMAで効果をあげる為のシナリオについて、戦略的な考え方を紹介します。

(基本的な考え方はB2BビジネスとB2Cビジネスで変わりませんが、今回は特にB2Cビジネスを中心に解説していきます。また、ここでのシナリオとは事業会社からそのお客様に提案するキャンペーンやメッセージの事を意味しています。)

 

弊社ではMAで実施するシナリオを以下2つに分けて考える事を推奨しています。

  • 売上を最大化する為のシナリオ
  • お客様とのエンゲージメントを最大化する為のシナリオ

双方とも、お客様に事業会社として提案するという観点では同じなのですが、シナリオを評価する軸(KPI:Key Performance Indicator)と、効果的にシナリオを考える戦略が異なりますので、それぞれ別々に考えています。

 

  • 売上を最大化する為のシナリオについて

このシナリオは直接売上を上げる為の施策となります。例えばアパレル企業であればお客様が商品を購入する、化粧品通販企業であればお客様が定期購買をする。飲食企業であればお客様の来店となります。この場合、KPIは売上金額です。売上金額を最大化する為の中間KPIとして、お客様が購入までアクションしているかを数値化するコンバージョン率や、お客様がそのメッセージを見ている(インプレッション)かの開封率などを設定します。

 

売上を最大化する為のシナリオの基本戦略は、コンバージョンポイントに近いシナリオをどれだけ多く量産できるか、この1点です。

例えば、わかりやすいECサイトで考えると、売上はお客様の購入なので、ここに近いシナリオから考えると以下が施策となります。

1.カートに入れているけど購入していない商品のリマインド

2.お気に入りに入れている商品のリマインド

3.数回閲覧しているけどお気に入りに入れていない商品のリマインド

どれも、今では当たり前のシナリオですが、この当たり前が重要です。コンバージョンポイントに近い方が優先順位が高くなりますので、上記1〜3であれば、1が優先順位で高くなります。

 

  • お客様とのエンゲージメントを最大化する為のシナリオ

このシナリオはお客様の利便性を向上させる為の施策となります。生活者目線で、こんなサービスがあったら助かるというのを基準に考えます。例えばアパレル企業であれば、前回購入したアイテムのサイズ(着丈、肩幅、身幅、そで丈)をお客様にお伝えすれば、次回購入の時の参考になりますし、フィットネスクラブであれば利用回数や利用目的に応じた、プロテイン、サプリメントのおすすめや自宅で出来るエクササイズを提案するなどになります。この場合のKPIはお客様がメッセージを見ているかの開封率とCTR(Clickthrough Rate)が中心となり、売上金額とコンバージョン率は補助KPIとなります。但し、シナリオによっては想像以上に売上に貢献するケースも多々ありますので、補助KPIといっても計測するのが推奨です。

 

また、MAのシナリオ数について相談を受ける事が多いですが、数が多ければ多いほど良いというのが推奨となります。①②それぞれ10シナリオ以上準備していて、その内容を四半期ごとに見直している企業では、MAが利用出来ないという議論はなく、もっと利活用する為に何をすべきかという前向きな議論が出来ています。

 

今回はMAのシナリオ戦略について解説しました。弊社では、MAソリューションの利活用支援を実施しています。ご興味ございましたらこちらのフォームよりお問い合わせください。