STP分析とは、セグメンテーション(S)、ターゲティング(T)、ポジショニング(P)の3つを利用して自社ブランドの戦略を整理するフレームワークです。マーケティングの権威であるフィリップコトラー氏が提唱しました。
STP分析を利用する事より、自社の強みを生かしたマーケティング戦略を立案する事が出来ます。
どの様にSTP分析を実務で利用しているか、確認していきましょう。
・STP分析の具体的な手法
セグメンテーション(Segmentation)
セグメンテーションの目的は、自社の商品サービスに価値を認めてくれるユーザーがいるだろう市場を細分化する事です。
例えば新しいマスカラを販売するとします。当然マスカラは女性向けとなりますので、この場合のセグメンテーションは性別-女性となります。
このセグメントが曖昧だと、次のステップのターゲティングが決まらず、結果として価値を認めて欲しいユーザーに刺さらないマーケティング戦略が出来上がってしまいます。
セグメンテーションで利用するフレームワークの例は以下となります。
・人口動態変数(年齢、性別、家族構成、職業)
・地理変数学(地域、人口密度、住まい、文化、行動範囲)
・社会心理学的変数(ライフスタイル、価値観、パーソナリティ、購買動機)
・行動的変数(購買活動、購買心理、購買契機)
ターゲティング(Targeting)
分類したセグメントの中で、自社のターゲットを決定します。商品およびブランドコンセプトと価格、自社の強みを評価して具体的にどの市場をターゲットとするかが導かれます。一般的には以下3つのいずれかの戦略でターゲットへのアプローチが変わります。
1.無差別型マーケティング
セグメントした市場を無視して、すべての市場に同じ商品・サービスを供給する手法です。予算が潤沢でマスマーケティングが可能な大企業に多く、食料品などの一般消費財でとられる事の多いターゲティングです。
2.差別型マーケティング
複数のセグメントに、それぞれ価値のある商品・サービスを提供するマーケティング戦略です。携帯電話会社がお客様に応じて価格を変更しているのがこの例となります。
3.集中型マーケティング
限られたセグメントに集中してマーケティングする手法です。高単価商材や、ニッチな商材を扱う企業などで取られる戦略です。
ポジショニング(Positioning)
設定したターゲットの中で、他社製品と比較した立ち位置を決めていきます。競合商品の特徴を元に自社の位置付けを明確にして、何が他社と違う点なのかを洗い出します。
・STP分析からの次の一手
STP分析を利用する事により、市場を細分化し、自社が戦うべき市場を選択肢、競合と差別化する点を明確にする事が出来ます。次のステップとしてその価値を以下にお客様に伝えていくかの具体的な戦術を考えていきます。戦略が明確でなければ、必然的にマーケティング戦術も無駄な投資になっていきますので、事前にSTPで戦略を明確にする事が重要です。